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トロロアオイ生産中止へ 手すき..

トロロアオイ生産中止へ 手すき和紙がなくなる!? [伝統]

トロロアオイとは?


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トロロアオイは、普通に育てると、別名花オクラといってオクラに似た花が咲くそうです。このトロロアオイの根っこの部分を使うのですが、根っこを太らせるためには、こまめに芽を摘んで本葉だけにしておかないといけないようです。そうすると花は咲かないみたいですね。

トロロアオイの生産地は?


トロロアオイの生産地は茨城県がダントツの一番です。といっても作っている農家が茨城県小美玉市小川地区にあるたったの5軒。この5軒で全国生産の70%~80%を占めているといいますから驚きます。2016年には国内生産量の87%(17トン)、2017年には67%(13トン)を出荷しているそうです。

国や県などの補助金の支援がないそうで、30年以上前には50軒あった栽培農家も十分の一にまで減ってしまいました。

朝日新聞によると、夏の炎天下でこのトロロアオイの芽を摘む作業が大変な労力らしいです。高齢化とあいまって、全国シェアが80%近いこの一大生産地の農家さんたちが、来年から植えるのを止める方針を決めたそうです。

和紙作りにかかせないトロロアオイ


トロロアオイが、和紙作りのどういうところに使われているかというと、和紙を簀桁(すけた)ですくときに、白くにごった液体の中につけて前後にゆすってちゃぷちゃぷさせますよね。あの白くにごった液体の中に入っています。

液体をためてあるのが漉き舟(すきふね)とよばれるもので、水、こうぞやみつまた等の木の繊維、それとトロロアオイの根っこをつぶして水につけ、それを絞ってこした汁(ねり)を混ぜてあるようです。

ねりは、とろみがあるので、繊維をコーティングしてからみにくくしたり、沈みにくくする作用がはたらくようですね。

ねりは、ノリとはまた違うみたいですね。くっつけるものではありません。なので、簀桁(すけた)をすいてできあがった紙を重ねても紙同士がくっつかないみたいですね。

すいたあとの和紙作りの工程をざっくりみていくと、まず、すいてできあがった水気を含んだ紙を紙床(しと)の上にかさねていくそうです。(和紙作りをしている人たちのHPを見てみると、紙を置く台のことを紙床とよんでいたり、紙を重ねたものを紙床とよんでいたりしますが、ここでは台のことを紙床とします。)

これに重しの石をのせて水気を切り、さらにジャッキで数トンの圧力をかけてしぼります。これを板に貼り付けて干し、乾燥したら和紙の出来上がりという流れになるようです。

手すき和紙の未来は?


生産が中止されたら、このとろみがなくなってしまうのではと心配になります。トロロアオイの代用になるものはあるそうで、化学のりだったり、トロロアオイが使われる前の時代に使われていたノリウツギなどがあるようです。

トロロアオイがなくなって、実際に困るとしたらどうことなのでしょうね。自然だとか安全性を前面に押し出してる商品などが厳しいでしょうか。これからは、和紙の生産地で栽培することも考えられるでしょう。

なんとかうまく乗り切ってほしいですね。


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