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おしっこの1滴からがんを発見す..

おしっこの1滴からがんを発見する画期的な検査が実用化へ [研究]

画期的ながん検査の実用化へ向けて12月から運用試験


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嗅覚のすぐれた「線虫」と呼ばれる生物にヒトの尿の臭いをかがせてがんを発見する装置が完成し、開発したベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」が、ことしの12月から、久留米市と小郡市の職員の尿を使って実用化に向けた最終的な運用試験を行うことになりました。NHKより

線虫ががんの匂いを嗅ぎ分けることを発見した経緯


そもそものきっかけは、とある病院の先生がいて、この先生が、犬の嗅覚を使ってがんを見分けたという論文を読んだことからはじまります。論文を読んでから、がんと匂いの関係について知りたいと思ったそうです。先生は、まず最初に、がんの探知犬の研究をはじめました。

研究の結果、がんの探知犬は、大腸がんをかなりの精度で判別できることが証明されたそうです。ただし、犬の嗅覚を利用する場合には、個体差がある、年をとると介護が必要になる、気候などの環境的な要因で集中力が変わってくるというようなことが課題として浮かび上がったみたいですね。

先生は、ちょうどそのころに、サバをたべて病院に運ばれた人の胃の中を検査したときのことを思い出したそうです。アニサキスが胃壁に食いついていて、調べてみるとがんのあるところに食いついていたみたいですね。結果として、がんの早期発見につながったのだそうです。

過去の論文を調べてみたら、似たような症例が二十数例みつかったので、アニサキスは、がんにたどり着くために嗅覚を使っているのではないかと推測したそうです。

そこから、アニサキスのような線虫の嗅覚について研究をしている人物はいないかと探したところ、九州大学の助教授がみつかり、実験が始まったのだそうです。この助教授が、のちにがん検査「N-NOSE」(エヌノーズ)の事業化を目指して、ベンチャー企業を立ち上げることになります。

実験には、体長1mmほどのC.elegans(シー・エレガンス)というポピュラーな線虫が使われたそうです。線虫というのは、ハエやマウスと同じように実験によく使われるみたいですね。線虫の嗅覚受容体は1200個で、犬の約1.5倍、非常に嗅覚に優れているみたいですね。いろいろな実験の結果、線虫ががん患者の尿の匂いを検知することがわかったそうです。

「N-NOSE」(エヌノーズ)とは


線虫は、がん患者の尿に集まり、健康な人の尿からは遠ざかるということで、その動きを画像で解析して調べる装置が開発されました。今回発表されたがん検査の名前は「N-NOSE」といいます。

がん患者1400人でこの検査を実施して、がんの的中率は約85%だったそうです。ステージ0、ステージ1の早期のがんも高精度で発見できるのが特徴といえ、一般的ながん検査「腫瘍マーカー」より優れているみたいですね。

線虫は、簡単に増やせるのでコストが安いことも利点としてあげられます。検査費用は1回9800円※引用元:西日本新聞ということですが、問い合わせが相次いでいて、すでに10万人分の検査が予定されているそうです。2020年の1月から実用化されるとのことですね。

線虫が、反応することが分かっているがん種(2019年8月現在)は、なんと15種類もあるそうです。(胃、大腸、肺、乳、膵臓、肝臓、前立腺、子宮、食道、胆嚢、胆管、腎、膀胱、卵巣、口腔・咽頭 )

「N-NOSE」の名前の由来は?


「N-NOSE」の名前の由来は、Nematode NOSEで、線虫の鼻を意味するそうです。

がんの早期発見を目指して


日本人の死因別死亡数の第1位が悪性新生物(腫瘍)です。厚生労働省の平成30年(2018)人口動態統計によると27.4%になっていますね。3人に1人が、がんで死んでいます。

こうした理由のひとつにがん検診の検診率の低さがあげられるようです。40~50%にとどまっているということで、これがほかの先進国と同じように80%程度に引き上げることができれば、早期発見につながって、助かる人も増えるでしょうね。

「N-NOSE」は、おしっこ1滴で診断できるできる手軽さと、検査費用の安さと、メリトッが非常に大きいので、これから1次スクリーニング検査として広く利用されるものになりそうですね。




タグ:研究 線虫 生物
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