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鳥取県が無花粉スギの開発に成功..

鳥取県が無花粉スギの開発に成功!花粉症対策の切り札に [研究]

鳥取県が中国地方初の無花粉スギを開発


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鳥取県林業試験場は、平成24年度から花粉症対策のための無花粉スギの開発に取り組んできたそうです。そして、ようやく無花粉スギの開発に成功しました。中国地方では、初の快挙となります。

無花粉スギの開発について


鳥取県外(の裏日本)で見つかった無花粉遺伝子保有スギ(雄花はつくが花粉はつかない)と、鳥取県内のスギの優良品種(42系統)を人工交配して無花粉スギ85個体の開発に成功したそうです。

無花粉スギは、富山不稔(とやまふねん)1号と石川県精英樹珠洲(すず)2号を人工交配に用いたそうです。参照:鳥取県プレスリリース

富山県農林水産総合技術センターのHPによると、無花粉になる性質(雄性不稔性)は、一対の劣性遺伝子(aa)によって支配されており、メンデル遺伝するそうです。長い時間をかけて人工交配を繰り返し苗を選抜するというやり方になるみたいですね。

花粉が出なければそれでいい、という単純な話ではなくて、いろいろな条件をクリアする必要があるみたいですね。まず、木材として利用するので、成長が早いこと、そしてまっすぐ伸びて育つ必要があります。

また、鳥取県の気候に合うものでないといけません。冬になると雪がたくさん積もるので、その影響で根曲がりしないということが必要です。害虫(スギカミキリ)の被害をうけにくいという性質も大切になってくるようです。

スギ花粉症について


多くの人が悩まされ国民病ともいわれる花粉症ですが、その多くはスギ花粉が原因しているようです。
<スギ花粉症>春先に飛散するスギ花粉が原因で起こるアレルギー疾患。主な症状はくしゃみ、鼻水、目の充血やかゆみ。厚生労働省によると、約3000万人と推定される国内の花粉症患者のうち、スギ花粉を原因とする患者は約9割。睡眠障害や思考力の低下、外出に支障が出るなどの影響による経済損失も指摘されている。
引用元:東京新聞

花粉症の原因となる花粉について


スギをはじめとする風によって花粉を運ぶ植物(風媒花)は虫などが花粉を運ぶ植物(虫媒花)よりも多量の花粉をつくり、花粉が遠くまで運ばれるので花粉症の原因になりやすいと考えられています。原因となる花粉の種類は多く、日本ではこれまでに50種類以上の原因花粉が報告されています。 このような花粉症を引き起こす風媒花には、樹木ではスギやヒノキの他にシラカンバ、ハンノキ、ケヤキ、コナラ、ブナ、オオバヤシャブシなどがあります。草本ではカモガヤなどのイネ科の花粉症が多くなってきていますが、他にブタクサ、ヨモギなどキク科の植物があげられます。主な花粉の飛散時期つまり症状が出現する時期はスギ、ヒノキなどの樹木では春が中心ですが、イネ科の場合は初夏に、キク科の場合は真夏から秋口に飛散します。引用元:厚生労働省 はじめに~花粉症の疫学と治療そしてセルフケア~

日本の森林と人工林の割合


日本の国土面積(3,779万ヘクタール)における森林面積は(2,505万ヘクタール)で約70%を占めます。そのなかの人工林の面積は(1,020万ヘクタール)で森林面積の41%になります。

人工林のスギ、ヒノキの割合


人工林の面積のうち、スギが(444万ヘクタール)で44%、ヒノキが(260万ヘクタール)で25%と約70%をスギとヒノキが占めています。

スギは全国的に植林されていますね。ヒノキは北海道、東北、北陸以外の地域で多く植林されているみたいですね。

林野庁の花粉発生源対策


花粉症の原因の多くがスギ(ヒノキ)にあるということで、林野庁が、「3本の斧」となづけて花粉発生源対策を推進しているみたいですね。林野庁のHPによると

第一の斧が、伐(き)って利用します。ということで、人工林の伐採と木材の利用を進める。

第二の斧が、植え替えます。ということで、花粉の少ない(無花粉の)苗木や広葉樹への植え替えを進める。

第三の斧が、出させません。ということでスギ花粉の飛散防止剤の開発と普及を進める。

花粉症対策は、いろいろな省庁にまたがって長期的に取り組まないといけないようですね。

最後に


医者が処方する一部の花粉症の薬(市販薬で代替できる)を保険適用外にすべきだ、というような提言もされるなど、医療費の削減の話も耳にはいってきます。花粉症の問題はほんとうに大変ですね。

戦後に植えられたスギ(ヒノキ)は、樹齢50年~70年といったものが多く伐採するのにちょうどいい頃合になっているみたいです。バランスよく消費されていって、植え替えなどもどんどん進んでいって花粉症の患者自体が減っていくといいですね。


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