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卵を産めないブルーギルが誕生、..

卵を産めないブルーギルが誕生、ゲノム編集に成功 [研究]

ブルーギルのゲノムを編集して駆除に利用か


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ゲノム編集という最新の技術を使って、卵を産めないように遺伝子を操作した外来魚の「ブルーギル」を作りだすことに国の水産研究・教育機構の研究グループが成功しました。ブルーギルは外来魚として各地で問題を引き起こしていて、将来的に湖などに放すことで駆除できる可能性があるとしています。NHKより

ブルーギルについて


ブルーギルはブラックバスと並んで悪名高い外来魚ですね。テレビ東京の「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」で水をぬいたときに必ずでてくるぐらい全国各地で繁殖しているみたいです。

どういう風にして日本に入ってきたかというと、
1960年に当時の皇太子殿下(上皇陛下)が訪米の際の手みやげとして持ち帰ったものを水産庁が各地の試験場などに分与した.各地で放流された.又,放流種苗に混入していた例もある.
引用元:国立環境研究所

※1960年は昭和35年です。
国内で繁殖している外来魚「ブルーギル」は、天皇陛下が皇太子時代の1960年に、米シカゴ市長から贈られた15匹の子孫であることが、三重大学生物資源学部の河村功一准教授(水圏資源生物学)らによるミトコンドリアDNAの分析で判明した。引用元:読売新聞

ブルーギルの大きさは15cm~30cm程度です。この魚は、卵をたくさん産むみたいですね。(1回の産卵数は平均的なサイズの個体で21,000~36,000粒)そして、雄が卵からふ化した仔魚を7~10日間保護するそうです。また食用にされることもないので、日本の環境になじんでのびのびと繁殖していったのではないでしょうか。

一般的な駆除の方法


池や沼の水をぬく掻(か)い掘り、釣り、網を使ってとったり、あの手この手で駆除が行われているようです。たとえば琵琶湖では、電気ショックで感電して浮かび上がった魚の中から外来魚を選別して網ですくって駆除するというようなことも行われているみたいですが、こうしたやり方も限界があるみたいですね。

そこで、ブルーギルの雄のゲノムを編集して、その子孫のメスは卵を産みにくくすることを考えたみたいですね。世代交代によって、数十年もすれば卵を産める雌が完全にいなくなって根絶できるのではないかという話です。

魚以外ではすでに実用化


こうしたやり方は、害虫の駆除をするときに用いられてきた方法のようですね。不妊虫放飼(ふにんちゅうほうし)といって、たとえば沖縄県では、ウリミバエ、イモゾウムシ、アリモドキゾウムシの駆除に成果をあげているようです。

最後に


今回の研究の成果を受けて、実際にゲノム編集したブルーギルを放流するかどうかはこれから議論の余地がありそうですね。根絶するまでは、日本固有の魚をしばらく食べられてしまうということもあります。

海外でのデング熱を媒介する蚊を使った実験などでは、想定どおりにいかなかったケースもあるみたいです。生物は、突然変異をしたり、環境に合わせてかわっていくのでなかなか難しいのかもしれないですね。




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