豚コレラの呼び方をCSFにかえることに



豚コレラの被害が拡大しているようですね。豚コレラというのは、人間がかかるコレラとは違うものらしく、アメリカで最初に見つかったときに、人間がかかるコレラの症状に似ていると理由で「Hog Cholera」と名づけたそうです。調べてみると、家畜の豚の場合は、pigよりもhogを使うらしいです。それをそのまま和訳して豚コレラと呼ぶことにしたみたいですね。

豚コレラと呼んでいると、人間がかかるコレラと混同して、より悪いイメージが広まりやすいということで、生産者の人たちから悲鳴が上がっていました。風評被害がでないようにするために、豚コレラの呼び方を変えることにしたそうです。

現在、海外では「Classical Swine Fever」と呼ばれているので、その頭文字をとって『CSF』と呼ぶことにしました。

2000年代の初めに大きな問題になった狂牛病をBSE(牛海綿状脳症)と呼ぶことにしたのと同じやり方ですね。

CSF(豚コレラ)について


CSFとは、CSFウイルスにより起こる豚、いのししの熱性伝染病で、強い伝染力と高い致死率が特徴です。感染豚は唾液、涙、糞尿中にウイルスを排泄し、感染豚や汚染物品等との接触等により感染が拡大します。引用元:農林水産省

【消費者のみなさまへ】ということで、消費者が冷静になれるように、農林水産省のHPでわかりやすく説明がしてありました。
CSFは、豚やいのししの病気であって、人に感染することはありません。仮にCSFにかかった豚の肉や内臓を食べても、人体に影響はありません。感染豚の肉が、市場に出回ることはありません。引用元:農林水産省

アジアで猛威を振るうASF(アフリカ豚コレラ)


CSF(豚コレラ)とは全く別の病気のアフリカ豚コレラというのがあって、それがいま中国で大流行しているそうです。すでに約1億頭を殺処分していて、とんでもない事態になっています。CSF(豚コレラ)よりも感染力が強くてワクチンもなくて致死率が100%近いということでどうしようもないみたいですね。

中国で2018年にアジアで始めて感染が見つかって、2019年になってもベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、モンゴル、韓国、北朝鮮、フィリピン、東ティモールとアジア各国で猛威を振るっているようです。

エサからウイルスが感染していくみたいですが、ウイルスは人の服や靴などにくっついて運ばれるそうです。日本に観光旅行にきたアジアの人々が運んでくる可能性も高いと予想されていて、日本国内で広まるのも時間の問題だといわれています。

輸入された(観光客によって持ち込まれた)豚肉の加工品からは、すでにアフリカ豚コレラのウイルスの遺伝子が検出されているそうです。そうしたこともあって、アフリカ豚コレラは「African Swine Fever」の頭文字をとって『ASF』と呼ぶことにしました。

最後に


CSF(豚コレラ)が厄介なのは、膨大な数の豚にワクチンを接種することの大変さ、膨大な数の豚を殺処分することの大変さがあげられます。

山で野生のイノシシが死んでいれば、その死因が豚コレラによるものかどうかを調べないといけないみたいで、獣医師が一日仕事で遠いところまで足を運んでいるとも聞きました。

そして、なにより養豚場が大きな打撃を受けてしまいます。そうなると、豚肉の価格も上昇して消費者にとっても影響が出てきます。

CSF(豚コレラ)の問題は風評被害の問題もありますし、なかなかメディアで大きく扱いづらい問題なのかもしれませんね。今治の岡山理科大学獣医学部の問題が政治利用されてしまったこともあって、獣医師にかかわる議論自体がされにくい状況になってしまいました。

想像する以上に深刻で過酷な現場になっていることは間違いないのでしっかりとフォローにあたってもらいたいですね。